過去の投稿2009年8月1日

7月26日

☆   本日は、委員会と皆様のご理解を得て、上智大学の研修コースで学びのときを持っております。大きな主題は、「生と死」です。先週の朝夕の祈祷会では、先週、通信に記載した、「脳死」についての文章の全体を読みました。(報告欄を!)わたしの論考の問題意識の中心は、「人間の死とは何か」を、国会議員、心臓移植を行う医師、患者が、自分たちの「論理」「正義」で事柄を決定することは、はたして許されるのかということにあります。(特に、国会が慎重な審議をせずに、多数決で決したことは、由々しきことと思います。)
生命について、私どもの神との関わりを無視するとき、それは、創世記の第3章24節の究極の神への反抗へと人類は突き進むこととなるでしょう。神は、「命の木に至る道を守るために、エデンの園の東にケルビムと、きらめく剣の炎を置かれた。」のです。善悪の知識の実を食べて、神の怒りとのろいを受けるべき人間に堕落した私どもを、神は、究極の滅びから守るために、神へのさらなる背反、敵対行為を「威嚇」されることによって、人類から遠ざけられました。20世紀後半、人類は、「生命・生殖」そのものをも操作の対象としました。「代理母」の存在、「クローン人間」誕生の可能性はまさにその典型だと思います。

★   臓器移植、何よりも輸血によってどれだけの患者さんの生命が救われたことかと思います。この医療技術の発展は、まさに偉大なことと言ってよいと思います。しかし、すべて「善き」ものとは、生ける神との関係において考えなければなりません。これが、私どもの信仰の知性です。私どもは、霊によって神を賛美することと理性によって賛美することとを両立させることができるし、しなければならないのです。(「霊で祈り、理性でも祈ることにしましょう。」コリントⅠ14:15)そしてこの理性と知性は、常に、神のみ言葉(啓示)に拘束され、規範されるべきものです。ここに哲学者たちとキリスト者(イエスさまは、マタイ15:17で『だから、天の国のことを学んだ学者は皆、自分の倉から新しいものと古いものを取り出す一家の主人に似ている。』とおっしゃいました。山の上の説教を学んでいる私どもは神学者と言えるはずです。)たちの差異が際立ちます。(哲学とは、「いのちとは、神とは、死とは、存在とは・・・」と理性の限りを尽くして、言語化しようとする営みです。真理、善、美という知を愛し、探究します。ですから、キリスト教の立場からも、哲学の価値と意義の重要性は明らかです。)そして、そこに私どもの幸いと使命とがあるのです。夜の祈祷会で、この領域の専門の研究者の○○委員が、「キリスト教は脳死をどう考えるのか」と、 上司から質問されたそうです。客観的座標軸、神からの啓示=み言葉=聖書を持たないゆえの切実な、しかも誠実な問いだと思います。そこでこそ、私どもの出番があるはずです。医師であり教授の○○兄弟も出席されました。改めて時間をとって、なお掘り下げて学び、質疑することができたら・・・。これほど贅沢な学びの機会は他にないでしょう!

☆    「信徒の手引き」草稿の読み合わせから始まった、現代に生きる私たちの様々な課題を学び、議論することができる祈祷会は、幸いです。-夜の祈祷会では、ある牧師が、援助交際をひいてたとえたことをそのまま紹介したことについての、妥当性が指摘されました-毎月の読書会ですることを、祈祷会で行っているわけです。8月は、祈祷会は夜だけです。毎年、「戦争と平和」について集中して学んでまいりました。  今年は、さらに広い範囲で(浅くならざるをえませんが)学びましょう。

★ 31日(金)は、哲学者の高橋哲哉先生(東京大学大学院総合文化研究所教授)をお迎えして、中部中会世と教会に関する委員会主催の「平和集会」が開催されます。おそらく中部中会では、初めての非キリスト者を講師としてお招きいたします。高橋氏のことは、ベストセラーになった「靖国問題」(ちくま新書 05年)で、広く知られている方です。その中には、わたしたちの教会に属するひとりの学者への痛烈な批判も記されています。一読して、まさに、私たちにも顕在化している一つの課題を、外部から糾弾されたような思いを抱きました。戦争推進の宗教装置、施設である靖国神社を通して、平和を造り出す私たちの課題を共に学びたいと思います。出席されたことのない方は、今回こそは! 

☆    先週の合同キャンプについては、委員たちがどこかで書いてくださるかと思います・・・。キャンプファイヤーは雨天でできませんでしたが、その代わり室内で行った、「劇」は、すばらしいものでした。他の機会に、再演をと願います。説教と共同作業で利用する可能性も考えました。真剣に演じるとき、物語は、年齢を越えて深く心に届きます。それを見事に証して下さいました。演者と作家、奉仕者方に感謝致します!

★   「ヤコブの子どもは何人?」キャンプのゲームの一コマです。12人は、○か×か・・・。わたしは、×の側へ。わたしに引きずられて?多くの方も・・・。正解は○。でも、ディナという一人娘がいたのですが・・・。