過去の投稿2005年11月6日

11月6日

★  先週は、日本キリスト教会大垣教会で開催された、「殉教者・朱基徹牧師の記念証言集会」に出席しました。55名の参加者の内、日本キリスト改革派教会からは23名の出席と伺いました。私どもの教会は、渡辺信夫牧師による学びや、韓国でのビジョンツァー参加者の○○委員からの報告会などで、殉教者・朱基徹牧師のことは比較的よく知ることができるようになりました。私自身は94年に出版された、「韓国教会の基礎をつくった牧師たちとその説教」という書物によって、この牧師の存在は、強烈にやきつけられていました。しかし、この度、四男の朱光朝長老のまさに生き証人、目撃証人からの生々しい証を聴きたい、いや聴かなければならないという思いに迫られて、はるばる、伺いました。そして、心の底から、この牧師の信仰と足跡を、自分も継承しなければならないと改めて思わされました。

☆  わたしは、これは愚か者として申しますが、少なくない苦難を牧師になってから受けてまいりました。普通の牧師であれば、めったに経験しないですむような、経験です。自給開拓伝道への道は、誰もができるものとは思えません。しかし!朱基徹牧師のことを思えば、それが、いったいなにほどのことでしょう!

★  集会は、一部、「美濃ミッション事件」についての集会でした。「美濃ミッション事件」私ども自身、あまり知らない歴史ではないでしょうか。これは、今から60余年前、大垣で伝道していた美濃ミッション経営の幼稚園児たちが神社参拝を拒否し、信徒の小学生が伊勢神宮参拝の修学旅行を拒否したことから、大垣市民全体が、「国体擁護のために美濃ミッションを排撃しましょう」というポスターを全市に張り出し、さらには歌までつくって、ついに、幼稚園閉鎖にまで追い込んだ事件です。しかし、私どもにとっての最大の問題は、当時の最大教派であった日本キリスト教会の大垣教会が、「自分たちと美濃ミッションとは無関係である、彼らのキリスト教は自分たちとは違う」と自己保身に走り、市民と同じレベルで、美濃ミッションを見殺し、見放したことにあります。実は、この姿勢は、最大教派の日本キリスト教会だけに見えていた姿勢ではないのです。(ちなみに、わたしの親しい友人たちが、自分たちの教団を自己批判して、自分たちも、主流派から迫害されたが、同じようなことを仲間内で、さらに小さな教派に対してしたのであると、検証、自己批判されました。これは、特筆すべき行為です。)今回、朱基徹牧師の集会をこの大垣の地で、しかも日本キリスト教会で開催したことの意味がどれほど大きいことか、お分かりになられると思います。第一部では、美濃ミッションに対して、大垣教会が公式に謝罪した01年(?)の経緯について、久米牧師が紹介してくださり、美濃ミッションからも、石黒牧師親子も報告してくださいました。・・・相互の和解が成立したことを証してくださいました。
☆  私どもは、神の民です。アブラハムからみれば4000年の歴史を生きる教会です。その教会が正しく前進するために、不可欠なことは、歴史を学ぶことです。何よりも、今、私どもは、アブラハムの歴史、私どもの歴史の原点を、神の言葉、正典である聖書から学んでいます。しかし、歴史は聖書だけではありません。2000年の教会史を学ぶことも、わたしどもの務めです。とりわけ、日本のキリスト者にとって、必須なのは、日本キリスト教会史を学ぶことです。(「教会学校教案誌」に連載中!!)中でも、このような美濃ミッション事件などを正面から学ぶことが求められます。この影の部分を見ずして、「光の教会」であることのまことのすばらしさと、世の光であることを真摯に求めることは、絵空事になるのではないでしょうか。

★  尊敬するひとりの長老が、夕食の席で、「結局、殉教、抵抗は、個人のキリスト者でしかできないのではないか」、と憤りの面持ちで仰いました。わたしは、思わず、「いへ、少なくとも各個教会をあげて戦わねば、私どもの使命を果たすことになりません」と申し上げました。朱牧師が何故、殉教できたのか・・・。朱牧師は、確かに、突出した信仰の教師です。しかしそこに、牧師を支えた夫人と山亭峴教会の存在を無視することは決してできません。愛する名古屋岩の上伝道所が、殉教牧師を生み出すような交わりとして成長することを心の底から祈ります。もっとも、あのような殉教者を二度と、起こしてはなりません。ですから、今、黙っていてはいけないのです。福音の真理を告白・証しない罪、無知と怠慢の罪を犯してはならないのです。

☆   木曜日、文化の日、鶴舞の名古屋市公会堂での「9条を守ろう、県民の集い」で、「日本キリスト改革派教会は憲法9条を守ります。」のリーフレット配布を家内と娘、○○姉で楽しく行いました。持ち込んだのは、1000枚。足りなくなり、「岩の上だより」も配りました。集会は、満席(3000席)で、私ども三人は、立ち見でした。リレートークには、教団の牧師も加わっておられました。何より、聖霊高校の平和演劇の代表の女の子二人が光っていました。演劇の力・・・。しかし、それを越える福音のことばが響き渡るように!祈!