過去の投稿2007年10月14日

10月14日

★  本日は、いよいよ今年度、最大の集会(研修会)です。実は、昨年、東京告白教会の渡辺信夫牧師を講師にお迎えして、「教会のディアコニア」を学ぶことを計画いたしておりました。しかし、昨年、先生は、体調を崩され、わたしが講演することとなったのです。その際、わたしの脳裏に、ただちに浮かんだのは、小塩長老のことでした。信州、上田の地で、秋に「カルバン・コロキウム」そして年末には、「神学ギムナジウム」と言う集会に参加した折、小塩長老の聖書研究の発表を伺い、「ただもの」ではない!?との印象を持ちました。信仰の理解において深く正しいこと、それが印象でした。ですから、他教派(※もとより日本キリスト教会と私どもの教会は歴史的には同根です。10月の大会では、国内教会連絡委員会から、同教会との関係を「連絡関係」から「友好関係」にする提案が出されています。議長書記団レベルでの交流に備えるためです。)であっても、小塩海平長老こそ、講演の適任者との思いが強いのです。

☆  かつて小塩長老からいただいた文章(講演録)の中で、今も深い感銘をもって思い起こすことがあります。高校生の頃であったか、母教会の○○教会における講演会で、渡辺牧師が招かれ、ディアコニアについての講演を聴かれたのです。この講演、なにより講演者との出会いが、将来の道を神に示される原点となったということです。神の聖なるお働きを思い、粛然とします。

★  東京告白教会、そして最近、この欄で重ねて紹介している日本キリスト教会 横浜長老教会(登家勝也牧師)のディアコニアに生きる教会の姿を学ぶたびに、やはり、指導者の責任の重さを痛感させられます。  この先生方は、日本キリスト改革派教会で言えば、すでに引退教師の年齢をはるかに越えておられます。しかし、そのお働きは、いよいよ、油がのって(?)おられるように拝見するのです。(渡辺先生のキリスト教綱要全巻の改訳の偉業だけを見ても自明のことでしょう・・・。)その理由・真因を、考えることは、今日の教会の根本課題を照射する光源となるはずです。

☆  小塩長老からいただいた文章を読み返し、私どもの中会加入の一つの志と共通する問題意識の文章を発見しました。 「教会の国際化」と題する講演の最後の部分です。(一部、省略)

中会の機能をディアコニアから検討する
  「私は阪神大震災の時も,中会が機能していないというようなことをいったし,また同様のことは他の人たちも以前から指摘してきたわけであるが,今回ビアクでの中会を中心としたディアコニアに参加して考えさせられたことがいくつかあるので,最後に簡単に触れたいと思う.  まず,中会は地域性を保持していなければならないということである.例えば川崎には在日韓民族が多く,茨城の田舎にはタイ女性がたくさん住んでいる,あるいは浜松には自衛隊の基地があり,世田谷区には福祉施設が多いというように,同じ東京中会の範囲内にあっても地域ごとに教会の取り組むべき課題は違うのであるから,ディアコニアの主体を中会に持たせるとしたら,中会は地域性を持つまで縮小しなければならないと思う.ディアコニアは祈りによって導かれるのであるから,中会は,互いに祈りに覚え合うことができる間柄で,家の場所や家族構成,健康状態なども努力すれば把握できる程度の範囲がよいのではないだろうか.私たちの教会でいえば,祈祷会で覚えている近隣教会すなわち,西経堂教会,世田谷千歳教会,荻窪北教会,恵泉教会,多摩ニュータウン永山教会くらいの範囲が適当ではないかと思う.仮に私たちが大地震で被災し,中会が窓口になって外国からの援助を受け入れなければならない場合を想定すると,いまの中会の範囲では完全に機能が麻痺してしまっていることに気づくに違いない.

結局現在の中会の母集団がこんなに大きくても支障を感じないというのは,要するに,命令系統が,上から下に一方通行で流れているだけだからである. ~しかし,私たちの目指すディアコニアの教会はむしろ逆ではないかと思う.まず一番下で情報が得られ,そこでその課題が祈られることによってディアコニアの課題となり,次に中会全体に向けて情報が伝達されると,中会全体の祈りが結集され,ディアコニアの業が始まるという順序を取るのである. 

私たちは,教会で祈祷の課題を設定し,祈る訓練をするようになって以来,祈りによってディアコニアの全貌を鳥瞰することが出来るようになってきた.私は冒頭で,国際的な教会は,御言葉に聞くことによって神の国の地平に立つ教会だと定義したが,私たちはさらに一歩踏み込んで,祈りによって神の国の地平をはっきりと見つめ,ディアコニアによって神の国の地平に生きる教会にならなければならないと思う.教会の国際協力は,御言葉と,祈りと,ディアコニアによって,成り立たなければならないと思う.」              

★  これを記しているのは、土曜日の深夜です。小塩長老も今、講演準備に汗をかいておられるのではと想像しつつ・・・。