★ 皆さまの熱きお祈りに支えられ、亘理伝道所から無事、帰名致しました。今回のディアコニア活動もまた、これまでの大震災ディアコニアとまったく同じでした。つまり、「教会の」ディアコニアだということです。それが如実にあらわされたのは、「炊き出し」でした。最初は、現地の食材を使い、現地で調理をすることを予想しておりました。そのためのメニュー案が朝夕の祈祷会で検討されました。その中で、「土手鍋」、「中華丼」が挙げられました。そして、教会で調理を済ませ、現地では、ほとんど温めるだけとなりました。しかも、段ボールに包んだおかげで、保温されていました。つまり、現地で奉仕した私どもは、皆さまの作品をお届けする奉仕であったわけです。出発時、手作りケーキと私どもの車中のお楽しみを届けて下さったり、野菜の煮物のお弁当の差し入れを届けて下さったり・・・。全ての奉仕において、皆さまのお祈りを感じることができました。
☆ 「今、ディアコニアの実践をしないのであれば、牧師を辞めなければならない・・・」(そのような教会の形成を目指していたはずだからです・・・)そのように申した私でしたが、この2ヶ月間、皆さまと共に、教会のディアコニアとして毎週のように、祈りと奉仕が捧げられました事、心から神に感謝し、嬉しく思います。「これを機に、通常の働きへと戻らないと・・・」そのように言った舌の乾かない内に、「これからさらに・・・」と、夜の祈祷会で申しました。
★ 亘理伝道所がある場所は、亘理町の中心部、官公庁が近くにあり、徒歩1分のまさに目の前には避難所となっている小学校があります。教会のある地区は、津波の影響はありません。しかし、車で10数分の海岸沿いは、まさに跡形もないほどの被災状況があります。家を流されてしまった方、津波の被害に遭われた方々が、小学校に避難されているわけです。
☆ 岩の上ディアコニア活動は、亘理伝道所を拠点にさせていただきました。ティシュペーパーとともに、亘理教会名と電話番号を記した、アンパンマンのイラスト入りのカードを配布しました。亘理伝道に奉仕する働きだからです。第一日目は、「炊き出し」、これは、私どもからの提案に基づき、ご指導を頂いて計画したものでした。そして、二日目、こちらは現地のお求めによって「居宅清掃」という計画が立てられました。清掃は、こちらの準備は、あまりなく、奉仕者が現地で力を出せば事足りると考えておりました。しかし、炊き出しは、どれほどの準備が必要となるのか、まさに初体験で、一週間のなかで、準備を煮詰めて行く作業は、いささか、ハラハラしたものとなりました。しかし、ガスボンベ二本とコンロ二つをレンタルする地元業者を見つけることができました。大きな寸胴二つの確保に難儀していた折、AHI(アジア国際保健機構)からお借りすることができるとの吉報のお電話を得て、安堵しました。そして、土曜日と主日午後の姉妹方の買い出し、下ごしらえ・・・、土手鍋は、まさに完成品を作っていただきました。
★ 現地の状況は毎日変化します。当初、100名が避難しておられる山元町支舎は、前日、ついに仮設住宅の入居が始まっていました。夕食の炊き出しは、半分ほど、車で数分の仮設住宅に行き、一軒、一軒、お声かけをしながら、配布致しました。けれども、こんどは、10棟もある住宅のすべてに配布することは到底、かなわず、皆さまに喜んで頂いただけに、まさに小さな小さな、奉仕であることを思わされました。
☆ 第二日目には、教会関係者のご婦人のご自宅で、亡くなられたお父さまの納骨の祈り、そして、居宅清掃が指定されていました。残念ながら、行き違いがあり、ご婦人とお会いすることができず、急きょ、予定を変更させていただき、林牧師とお別れし、亘理伝道所にストックされていた物資を仮設住宅に運ばせて頂きました。こちらも、皆さまに大変、喜んでいただきました。
★ 今回の小さな奉仕を通して、亘理伝道所をステーションにしたディアコニアの必要性と可能性を確信致しました。けれども、問題は、「奉仕者=ディアコノス」が足らないという現実です。現地で指揮をとって、ディアコニアを持続させる「システム」の構築、これが、課題・・・、そう思いつつ、帰路につきました。
☆ 尊敬する教師の月報巻頭言を頂きましたので、抜粋してご紹介いたします。【或る教師は、今回の支援は、ボランティアという個人の自主的な働きではなく、教会がなすべきミニストリー(奉仕・牧師の職務)である、と自らの教会のホームページで語っています。教会と社会との接点がここにあり、社会において他者に仕えることは、まさに、教会の使命です。また、社会支援という言葉より、教会のディアコニア(奉仕の業)という言葉を定着させる方が、より教会的な事柄となるでしょう。概念や用語においても教会的に未整理な部分が多々あります。】 昨年の中会連合婦人会では、【ディアコニア】を主題としました・・。まさに、これからです。