★ 祈祷会では、「礼拝指針」を学んでいます。先週から、第二部 「教会活動」に入りました。ここで、そもそも、「礼拝指針」とは何かについて確認しておきたいと思います。それは同時に、そもそも、日本キリスト改革派教会の「憲法」について確認する必要も生じるかもしれません。日本キリスト改革派教会の「憲法」とは、「信仰規準」と「教会規程」の二部を指しています。信仰規準は、「ウェストミンスター信仰基準」です。それは、ウェストミンスター信仰告白とウェストミンスター大教理問答とウェストミンスター小教理問答の三部です。 ただし、いささか、ややこしいですが、私どもの信仰規準とは、厳密に言えば、このウェストミンスター信仰基準に創立宣言の中に出てまいります、「日本キリスト改革派教会信仰規準ノ前文」を付したものを含みます。 ちなみに、この前文は、教会と聖書と信条の関係を見事に、簡潔に言い表した優れた文章だと思います。
☆ 【 神ガ己ノ教会ニ与へ給ヒシ神ノ言ナル旧新両約ノ聖書ハ
教会ノ唯一無謬ナル経典ナリ。聖書ニ於イテ啓示セラレ
タル神ノ言ハ教会ニヨリ信仰告白セラレテ教会ノ信仰ノ
規準トナル、是教会ノ信条ナリ。
教会ハ古へヨリ使徒信条、ニカヤ信条、アタナシウス信
条、カルケドン信条ナル四ツノ信条ヲ教会ノ基本的、普
遍的信条トシテ共有シ来レリ。宗教改革時代ニ至り、
改革派諸教会ハ共等諸信条ノ正統信仰ノ伝統ニ立チ
且ツ是等ニ止ラズシテ純正ニ福音的、否全教理ニ亘リ
更ニ純正ニシテ且ツ優レテ体系的ナル信条ノ作成ニ
導カルルニ至レリ。其ノ三十数個ノ信条ノ中ニテウエス
トミンスター信仰基準ハ聖書ニ於イテ教へラレタル教理
ノ体系トシテ最モ完備セルモノナルヲ我等ハ確信スル
モノナリ。
我等日本基督改革派教会ハ我等ノ言葉ヲ以テ更ニ優レ
タルモノヲ作成スル日ヲ祈リ求ムルト雖モ此ノ信仰規準
コソ今日我等ノ信仰規準トシテ最適ノモノナルヲ確信シ
讃美ト感謝ヲ以テ教会ノ信仰規準トス。】
★ 憲法は、信仰規準と共に「教会規程」によって構成されるわけですが、この規定は「政治規準・訓練規定・礼拝指針」によって構成されています。ちなみに、役員候補者が教会設立を前にして、一生懸命、学んだのは「政治規準」でした。岡本執事御夫妻は、夜の祈祷会前の30分、ほぼ一年かけて学びました。 「政治規準」は、教会の頭でいらっしゃる主イエス・キリストの恵みの支配、主権に、教会が服する筋道(政治)を整えたものです。ちなみに、「訓練規定」は、主に、教会の「戒規」の手続きを定めたものと言えると思います。
☆ いよいよ、本題の「礼拝指針」です。礼拝指針とは、「教会の生命は礼拝にある」(創立20周年宣言)とあるように、礼拝、とりわけ主日礼拝式は、キリストの教会の生命、力の源泉そのものです。教会がそこに「ある」とは、教会堂がそこにあるかということではありません。神の民が主の日に一つに集まる、そこに(現実的に)あるのです。確かに制度的な教会として、週日も名古屋岩の上教会は厳然と存在しています。たとい、礼拝堂がなんらかの事情によって消失したとしても、です。しかし、もし、名古屋岩の上教会が主日に集まりを持たなければ、教会は「ない」のです。このように記せば、教会の存在と主日礼拝式とは、ほとんど切り離せないもの、教会とは「礼拝共同体、聖餐共同体」であることをご理解いただけると思います。それほど、生命的に大切な礼拝式をどのように捧げるべきかの指針を策定することは、歴史的、伝統的教会、改革長老主義教会にとっては基本であり、必須のことです。ちなみに、今秋、大会教育委員会から発行される「信徒の手引き」は、憲法ではなく、礼拝指針をさらに信徒の生活にふさわしく適用するための手引きです。
★ 礼拝指針の第一部は「神礼拝」を取り扱いました。これが礼拝指針の言わば心臓部です。しかし、改訂された礼拝指針は、全体の構成を立てなおし、第二部として「教会の活動」の項目を設けました。先週は、その最初の章となる第22章「伝道活動」を学びました。教会の活動として、最初に伝道が扱われるのは、当然のことでしょう。教会が主日礼拝式によってその輪郭を明示するのであれば、教会にとって伝道することは、生きることそのもの、一つの活動というより教会の「存在理由」です。
☆ 105条に、「福音伝道の実行者」とあります。ちなみに、「実行者」という訳文は、日本語としていささかなじみがないようにも思えます。わたしは「担い手」と言いました。大切な点は、福音伝道の担い手は、「牧師にあるのではない」ということです。指針は、私と小会は、伝道とその活動の指導の責任を負っていると告げます。そうであれば、率先して伝道することは当然です。しかし、明示されているのは、教会員ひとり一人のことなのです。先週の説教の分かち合いでは、「伝道とディアコニア」について語って下さいと通信に記しました。私どもが主イエスから第一に問われ続けているのは、伝道の担い手の「実行」「実践」にあります。(続く・・・)